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ISO9001:2015用語の解説

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 ISO9001:2015用語の解説

ISO9001:2015用語のイメージ曖昧さをなくすために大幅に追加

 ISO9001:2008では、ISO9000:2005で定義されていた「用語」を用いていましたがISO9001:2015の発行に伴い、定義された用語は84語から138語へと大幅に増えました。理由は、ファミリー規格の用語を取り込んだり、リスクなどの新しい概念の追加、サービス業にも配慮しよりわかりやすく定義することで解釈の「曖昧さ」を減少させ、より正確な理解及び審査のばらつきを少なくなしようという事です。なお、削除された用語は3つ、「組織構造」(organizaitional structure)、「適格性確認プロセス」(qualifi
cation)、「力量」(監査分野の用語)(competence)であり、新しく追加された用語が57語になります。また、ISO9000:2005から引き継がれた81語のうち、何らかの変更があったものが45語であり、全く変更がなかったものが36語となっています。


ISO9001:2015にける重要な用語

【顧客】
 製品やサービスを受け取る人や組織の事。外部顧客(製品やサービスを受け取る人や受け取る可能性のある人=市場にいる人)と内部顧客(組織内の後工程の人)があり、現実を反映した定義になっています。

【製品とサービス】
 旧版では、プロセスの結果の製品には@サービスAハードウェアBソフトウェアC素材製品の4つのカテゴリでしたが、サービス業にはわかりにくいという意見などがあり、プロセスの結果を「アウトプット」といい、アウトプットには大きく@製品、Aサービスがあり、@「製品」の中に@-1ハードウェア、@-2ソフトウェア、B-1素材製品の3つのカテゴリに変更されました。

ISO9001:2015の製品とサービスの定義イメージ

【外部委託】
 旧版では「外部委託」が定義されていなかったため、外部委託と購買との違いや、管理方法について様々な議論がなされていましたが、今回新たに定義することで明確にされています。内容は旧版と変わらず、外部購入品であろうが、外部委託した業務であろうが、QMSの一要素として適切に管理する必要があるという事です。

【リスク】
 「目的に対する不確かさの影響」と定義されており、影響として、@好ましくない方向 (悪い)とA好ましい方向(良い)の二つが定義されています。リスクに対する考え方では、「リスク」を両方面から特定し、組織にどのような影響を与えるかを考え、取り組む、という事になります。

【効率と有効性】
 旧版から変更なく、「効率」=達成された結果と使用された資源との関係、「有効性」=計画した活動を実行し計画した結果を達成した程度、と定義されています。

【検証と妥当性確認】
 「検証」とは、組織が規定した要求事項(製造品質・設計品質:狙った品質)が満たされていることの確認、「妥当性」とは顧客の要求事項を満たしているかの確認となります。

【顧客満足】
 用語自体の意味は顧客の要求を達成する事であり、達成の程度は関係ありません。しかし、要求事項では顧客満足は高いか低いか顧客側の受け止め方が重要であり、受け止め方の尺度はクレーム件数や売上高、シェア等の様々な側面で見ていく必要があります。

【是正処置、予防処置、修正、手直し、修理】
 是正処置は「検出された不適合」の原因の除去、予防処置は「起こり得る(可能性のある)不適合の発生」を防止、修正は「検出された不適合」の除去、手直しは「要求を満たすよう修正する事」、修理は「使用できるように修正する事」となります。手直しと修理の区別がつきにくいですが、規格では厳格に区別しており、イメージとしては、手直し=作り直し、修理=使えるようにする事、になります。


※ ISO9001:2015規格要求事項(2008年度版対比)はこちら
※ ISO9001:2015規格要求事項の解説はこちら
※ ISO9001:2015コンサルティングサービスはこちら


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